MOLOG

教師であり父でありApple好きな人が書くブログ

「下の方からみんなの力でつくりあげていく」GIGA情報共有コミュニティ【ICT LABO(あいらぼ)】はじめました

このたび、GIGAについて(広くはICT全般について)の情報共有コミュニティサークル【ICT LABO(あいらぼ)】を立ち上げました。

かねてよりTwitter上で交流のあったたいようさん( @shiningtaiyo )、たんたろうさん( @kyoukatantarou )と一緒に立ち上げたコミュニティです。

Twitter上でメンバーの募集を呼びかけたところ、立ち上げから2日間で300人近くの方々が参加してくれました。

また、運営チームにともさん、倫理さん、ぴーすさん、てるてるさんも加わってくださり、これから更に活性化していく道筋もついてきました。

今日は、立ち上げメンバーである私が、あいらぼにどんなことを思い、何を期待しているかを書いていこうと思います。

私個人の考えなので、立ち上げに関わったお二人とはやや違うかもしれませんが、そこはご了承ください。

あいらぼに託す思い

これまでの教育施策の失敗

いきなりネガティブな話で申し訳ないのですが、まずはここから話をしていきます。

今回のGIGAスクール構想は、国が予算をつけて全国の学校に導入した教育施策です。

GIGAスクール構想とは、一言で言うと「児童生徒向けの1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備し、多様な子どもたちを誰一人取り残すことのなく、公正に個別最適化された創造性を育む教育を、全国の学校現場で持続的に実現させる構想」です。GIGAとはGlobal and Innovation Gateway for Allの略。 徹底解説 いまさら聞けないGIGAスクール構想とは?

本来は、2019年から5年かけて行う予定でしたが、コロナの影響で前倒しする形で、今急ピッチで進んでいます。

日本では、これまでもさまざまな施策が導入されてきました。

総合的な学習、詰め込み教育からの脱却、教員免許更新制度、キャリアパスポート、大学入試改革などなど。

いずれも導入時には「日本の教育をよくしていく」という意図があったはずです。

しかし知っての通り、上に挙げたものたちは残念ながら、どれもが導入当初の意図が果たされることなく今に至っているかと思います。

ゆとり教育と揶揄される。キャリアパスポートはポートフォリオとしての機能をほとんど持たず。大学入試改革は抜本的な改革とはなりませんでした。

これらがきちんと機能していない原因の一つが、足し算ばかりで何一つ業務の減っていない現場になんの対策も講じられていないことだというのは言うまでもありません。

しかし私は思うのです。果たして、これらがきちんと機能しなかったのは、上のせいだけなのでしょうか、と。

私たち現場の人間にも何かできることはあったのではないか、と。

下の方からみんなの力で作り上げていく

皆さんは、この文章を目にしたことはありますか?

今我が国の教育はこれまでと違った方向に向かって進んでいる。(中略)一番大切だと思われることは、これまでとかく上の方から決めて与えられていたことを、どこまでもその通りに実行するといった画一的な傾きのあったものが、今度はむしろ下の方からみんなの力で、色々と作り上げていくようになってきたということである。

この文章は昭和22年に出された初の学習指導要領の序文です。

www.mo-page.com

70年ほど立った今読んでも、何か感じるものがあるのではないでしょうか。

私たちはとかく、「国の方針だから」「また勝手に決められた」とグチを言って受け身で仕事をしてしまいます。(少なくとも私はそうです)

「こんなものはじめやがって」

この気持ちが現場にある限り、どんなに素晴らしい施策であっても健全に機能しないことが、ここ数年でよくわかりました。

GIGAも同じなのではないでしょうか。

これまでの施策同様、きっと現場には「こんなもの(タブレットPC)配りやがって」と思っている先生はいるはずです。

そういった声が大きくなっていくと、今回のGIGAスクール構想も必ず失敗します。

今現在、倉庫の奥底に眠っている電子黒板と同じように。埃をかぶったプロジェクターと同じように。

タブレットPCもやがて日の目を見ない日が来るでしょう。

私はそれが嫌なのです。日本の教育を前に進ませたいのです。

GIGAじゃなくとも良いから教育を前進させたいのです。たまたま今回は、私が(比較的)得意な分野の施策が導入されただけです。

上の文句ばかり言って前に進まなかったこれまでの現状を打破し、

そろそろ私たち下の人間(現場のプレーヤー)が主となって、学校教育を変えても良いのではないか。

そんな思いがここ数年、ふつふつと沸き上がっています。

このコミュニティには「日本の教育を下の方からみんなの力でつくりあげていくための原動力にしたい」という私の思いも込められています。

あいらぼで何をするのか

あくまで場の提供

ここ数年のSNSの発展により、人と人とが簡単につながる時代が到来しました。

発信のコストが大きく下げられ、これまで受信するだけだった人が、簡単に発信することができる時代になりました。

以前は多くの人に声を届けることが難しかったのです。それが今は簡単にできる時代です。

私はこれを使って、下から日本の教育を発展させていこうと思っています。

多くの人の知識を集め、情報を共有し、そこから得た学びを現場に還元していく。

あいらぼは、そんなことができる場所にしたいと思っています。

しかし、あくまで場の提供のみです。

一端の教師である私たちは、全国の先生方に研修するような力は持っていません。

しかし、場の提供ならできます。

場を提供し、そこに参加者がそれぞれの経験(成功や失敗)や知識を発信していく。

それらの集合知を共有していく場。私のあいらぼの定義はこれです。

どんな場所になるかはプレーヤー次第

開始して数日が経ち、私達立ち上げメンバーではない方々がどんどんとスレッドを立てて、知識や疑問を共有してくれるようになりました。

立ち上げに関わった身として、とても嬉しく思っています。

私にとってのあいらぼは公園です。

「この土地を公園にしました。遊具は皆さんで作ってください。一緒に遊びましょう。」

やや乱暴に聞こえるかもしれませんが、私の中ではこんなイメージです。

集まってくてくれた方達と一緒に考えて、どんな化学変化が起きるのか、どんな場所になるのか、とてもワクワクしています。

もしかしたら発信する人がいなくなり廃れていくかもしれない。あるいは、ここからさらに新しい何かが生まれるかもしれない。

このあいらぼがどんな場所になるのかは、全ては参加している方達次第です。

あいらぼのグランドルールの一つは、全員がフラットな関係であること、です。

私たちが積極的に遊具を作るわけではないと思ってください。一緒に作りましょう。

もう一度。あいらぼはあくまで場の提供であり、このコミュニティがどんな場所になるのかはプレーヤー次第です。

一緒に作っていく

「やってみたい」を実験する場

そろそろ、ちゃんとあいらぼについて紹介しようと思います。

といっても、たいようさんが作ってくれたスライドが素敵すぎるのでこれを紹介するだけです。

f:id:Moblog:20210224153416j:plain

f:id:Moblog:20210224153443j:plain

f:id:Moblog:20210224153439j:plain

f:id:Moblog:20210224153435j:plain

ネットコミュニティのノウハウがない私にとって、たいようさん、たんたろうさんのやりとりはとても勉強になりました。(お二人とも本当にありがとうございました)

ルールが必要最低限なところも良かったし(個人的にはあれやってこれやってと言われると尻込みしてしまうので)、プラットフォームがGoogle系ツールだというのも好きな点です。

私はAppleばかり使っているので、Google系ツールには詳しくありません。

自治体にはChromebookが配付されており、いつか勉強しなくてはと思っていました。

あいらぼのプラットフォームはGoogle Classroomなので、それだけでたくさんの学びがありました。(スレッドの見た目、人数の上限などなど)

あいらぼは、私にとって実験の場です。

綺麗に整ったものを見せるのではなく、あれこれ失敗していく場です。

大人数だろうと容赦無く失敗を重ねていくつもりです。

何度も言いますが、あいらぼはあくまで場の提供であり、コンテンツは参加者が作っていく場です。

皆さんの実験の場としても機能していき、そこから何か学びがあると嬉しいです。

過程もコンテンツにする

私の予想では、10人から20人程度の規模からスタートするコミュニティになると思っていました。

まずは少人数で情報を共有していければ、と。

ところが、Twitterで参加の呼びかけをしたところ、一晩で200人以上の方から反応があったのでとても驚きました。

当日はDMが鳴り止まず、一つ一つ返事をしていったら間に合わない状況でした。まさにうれしい悲鳴です。

予想の10倍近くの反応があったわけですから、色々とトラブルが起こりました。(DMチャットのパンクやコミュニティリンクの導線確保などなど)

お待ちさせてしまった方々、すみませんでした。

そして、やっぱりここでも助けてくれた、たいようさん、たんたろうさん、ありがとうございました。

一度は参加募集の中断もしましたが、翌日には募集を再開することができました。

私は、この過程のドタバタもコンテンツにして一緒に楽しんでいきたいです。

立ち上げ2日後の月曜日は、clubhouse(ラジオ配信アプリ)にて、たいようさんやたんたろうさんと立ち上げ時のドタバタを振り返りました。

(現状iPhone、iPadからでしか聞けないので申し訳ない気持ちもあります)

今後はTwitterやclassroomでもドタバタを雑談がてら伝えますので、一緒に参加して少しでも楽しんでもらえると嬉しいです。

GIGAを成功させたいという思いで始めた情報共有コミュニティ【ICT LABO (あいらぼ)】

参加者全員の集合知から学びを得て、それぞれの現場に還元していく場。

全員がフラットな立場で、参加者みんなで一緒に作り上げていくコミュニティ。

立ち上げが無事済んだ今はもう、私はただのイチ参加者です。

誰かが動くのを待つのではなく、少しで良いから発信していく。ちょっとずつ書き込んでいく。

そうやってみんなで作り上げていけたら最高です。

もしこれを読んで興味が湧いたら、私のTwitterアカウントに連絡(DM)をください。招待します。

おわりに

情報共有のニーズが無くなった時。

ICT機器が文具として当たり前になった時。

こんな日が来た時がGIGAが成功したと言える時なのだと思います。

いつかあいらぼがなくなる日が来ることを願っています。