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教師であり父でありApple好きな人が書くブログ

ICT LABO(あいらぼ)プラットフォーム移行について

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この度、GIGAスクール構想についての情報共有コミュニティ【ICT LABO(あいらぼ)】のプラットフォームを変更しました。

この記事は、プラットフォーム移行の経緯について書いています。

もしICT LABOのメンバーでない人は、先にこちらの記事を読んでみてください。


www.mo-page.com

そして、一緒に勉強していきたい!という方は、ぜひ下記のフォームに参加するアカウントのGmailアドレスを送ってください。

ICT LABO(あいらぼ)チャット参加

みなさんの参加、お待ちしております。

さてさて、今日の本題です。


classroomだった理由

classroomでなければならなかった

ICT LABO「あいらぼ」は、GIGAについて(広くはICT全般について)の情報を共有するコミュニティサークルとして立ち上げました。

2021年度より各学校にiPadやタブレットPCが配付されるなど、新しい取り組みが国の試みとして導入されました。

しかし、ややすると現場からは「どうせまた失敗する」というネガティブな声もたくさん聞こえていました。


GIGAをこれまでの試行と同じように失敗と呼ばせたくない。

現場の1プレーヤーとして何かできることはないか、と考えて立ち上げたのがこのコミュニティです。

誘ってくれたたいようさん、たんたろうさんのお二人にはとても感謝しています。


ICT LABO立ち上げの際にいくつかお二人と一緒に意見を交わしながら決めました。

その一つが、ICT LABOのプラットフォームです。

ICT LABOメンバー交流の場として、どのツール(アプリ)をプラットフォームとして採用するか。


そこで採用したのがGoogle classroomでした。

なぜclassroomを採用したのか。

それはズバリ、classroomに慣れる必要があったためです。



多くの学校で、タブレットPCとしてChromebookが配付されました。

ご存知の通り、Google OS端末です。

ということは、授業で扱う際に、Google classroomを使うことは必須です。


しかしそれまでの学校現場では、PCといえばWindows一択。

ブラウジングもIEで行われており、Chrome?なにそれ?というのが現状でした。

もちろん私も例にもれなく同じ状態。

そんなわけで、GIGA情報共有コミュニティとして、何よりも今後慣れていく必要があるclassroomを私たちは採用しました。


classroomだから得た知見

ICT LABOのプラットフォームとして、まずclassroomを採用したのは、個人的には大正解だったと思います。

ネット記事では伝わらないような、使っていないとわからない、さまざまな知見を得ることができました。

  • 起動が遅い
  • 一度起動したら割とサクサク動く

この辺りは、classroomは課題の出し入れという特徴から、授業に特化したツールである所以だと思います。

起動自体は休み時間や授業の始めに行えば、授業中は快適に動きますからね。

  • 教師が生徒に課題を提示するための授業タブ
  • 生徒同士で簡単にやりとりができるストリーム

あくまでclassroomは、教師と生徒という2種類の役割で活用していくためのツールなのだということがわかりました。

教師から生徒全体への連絡はスムーズに行えますが、生徒同士のやりとりをするのは少し弱いツールです。

課題を配付したり、トピックを作成して整理したりと、ここでたくさんの知見を得ていたおかげで、4月からのGIGA本格的導入時にはある程度の前知識を得た上で運用することができました。


なぜ移行したのか

チャットツールとしては弱い

先ほども書いたように、私たちはGoogle classroomに慣れていく必要があったため、プラットフォームとして採用してきました。

しかし、classroomはプラットフォームとして運用していく上で、いくつか弱点があることにも気が付きました。

  • 起動が遅い
  • 通知が来ない

classroomは、あくまで授業の際の課題の提示回収がメインのツールです。

そもそもチャット機能を想定されて作られていません。

そのため、私たちのようにチャットとして運用していこうとすると、難しくなってしまいます。


また、GIGAが本格的に導入されてから3ヶ月。

授業でもclassroomを使うことも増えました。もはや当たり前になりつつあります。

「classroomに慣れる」という当初の役割は達成されたかな、とも思ったため、今回移行を決めました。


交流を活発にするため

ICT LABOはメンバー総数500名を超える大きなコミュニティとなりました。

何かわからないことをclassroomのストリームに書き込むと、誰かが反応してくれる状態にはなりました。

しかし、ここ最近はめっきり交流の機会も減ってしまいました。


2月や3月の年度末に比べて、4月以降の新年度の忙しさは恐ろしいものです。

みんな、新年度で忙しい毎日を送り、余裕がなくなったのも交流が減った一要因ではないかな、と思います(私自身もそうです)。

しかし、新年度が始まって3ヶ月が経った今。

そろそろみんなの余裕が生まれてきた頃かな、とも思います。


もっとメンバー間の交流をするためには、今のclassroomではダメなのではないか。

そんなことを思っていたタイミングで、ちょうど Google Chatが個人アカウントでも使えるようになりました。

これこそまさに神からの啓示と言わんばかりに、運営メンバーに連絡。


そして今回の運びとなったわけです。

今のところ、この目論見は成功しているとおもいます。

メンバー同士のやりとりが増え、以前のような(それ以上の)やりとりが行われるようになりました。


一通りメンバーさんたちのプラットフォーム移行が済んだら、さらに交流が増えると思っています。

ちょうど夏休みですし、たいようさんも俄然やる気になってますし。

チャットから新しいウェブセミナーなども始まるかな、とワクワクしています。


何に移行したのか

classroomからから移行したのは2つのツールです。

Google Chat

メンバー間の交流を活発にするためには、まずは起動が早く、レスポンスを容易にできるようにする必要がありました。

そこで、チャット機能のツールとして Google Chatを採用しました。

これについては特に悩むこともなく、すんなりと決めることができました。


当初から、チャット機能として Google Chatの導入は計画にありましたが、2021年2月当初では Google Chatは一般開放されていない機能でした。

企業や学校アカウントのみ使える機能であり、私たちの使っているような個人アカウントでは Google Chatは使うことができなかったわけです。

「いつか使えるようになったら、 Google Chatに移行したいね」

何んてことを運営チームで話していました。


Google Chat移行後は、おおよそ目論見通りです。

メンバー間での交流が増え、「今日はどんな話題が出てるかな」と、Google Chatを開くのが楽しみになってきました。

classroomのあの起動のもっさり感からの開放はやはり嬉しいです。


今はICT LABOとしてのチャットルームは、メンバーさんが全員入る「ICT LABO」と「あいらぼラジオ」の2つです。

今後は、classroom時と同様に、テーマ別にルームを作成しても面白いかな、と思っています。

また、「こんな時どうしますか?」「皆さんの学校はどうなっていますか?」などの質問ももっと増えると集合知での解決というこのコミュニティの良さが活かされるようにもなると期待しています。


Scrapbox

コミュニティのポートフォリオ(これまでの歩みがわかるようなもの)として、Scrapboxを採用しました。

これについては、運営チームに提案する前に色々と悩みました。

Scrapbox自体は個人的に使っているツールですが、一般的には認知度はとても低いツールです。


ポートフォリオとしては、Google siteでも良いのではないかと考えました。

しかしScrapboxの

  • ブラウザアプリ(SafariやChrome)で閲覧編集ができる
  • カード形式のUI
  • リンクで各カードが繋がる

という点に魅力を感じ、ポートフォリオとして採用しました。


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情報を加えていくと(ページを増やしていくと)、どうしても古い情報は埋もれてしまうというジレンマが発生します。

Scrapboxは、このジレンマをリンクで繋がるという発想で緩やかに解決してくれます。

例えば、下の画像ではjamboardという言葉とシンキングツールという言葉にリンク機能を付与しています。

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リンクによって繋がったカードが表示される

すると、あたかも脳が何かの拍子で思い出したかの如く、同じ単語を含むカードを下に並べてくれます。

埋もれていた情報を、表に出してくれる(思い出させてくれる)わけです。

閲覧者は、必要な情報を見た後、さらに見たいカードをクリックすることで、関連する知識が得られるのです。これが何とも心地よい。


Scrapboxの採用については、同じICT LABOメンバーであるYukiさんに協力してもらいました。

便利ですが、認知度が低いために、まずはメンバーの人に触れてもらって有用性や可能性を感じてもらう必要がありました。

私たちは、まず二人で100ページほど作成し、数人に公開して皆さんの反応を見ることにしました。


みなさんこのツールの良さを感じてくれたようでホッとしています。

Scrapboxは、たくさんの人の集合知が活かせるツールです。

なるべくいろんな人が思い思いのカードを作成し、リンクによってつなげることで化学反応が起こるツールです。


メンバーの人は、一人最低でも一ページ自分の手でページ作成をしてみてください。

もちろん、わからなければ Google Chatで聞いてください。

そのためのこのコミュニティです。


最後に

Google ChatやScrapboxについては、とにかく勉強する前に触って、少しずつ慣れていくのが早いと思います。

Google Chatについては、招待メールは届きません。フォームにアドレスを送った後、24時間以内にこちらで招待しています。

Google Chatのルームを開くと自動的に表示されるようになっているようです。


もし何も変化がなければ、直接私のTwitterアカウントにDMで連絡をください。

稀に何回もフォームでアドレスを送っている方がいますが、気がつかないことがあります。

気軽にDMを送ってくれた方が私も助かるので、24時間経ってもルームが開けなければ教えてください。


たくさんの人の参加と、たくさんの人の集合知によって学校を今より少しだけ前進させていく。

そんなコミュニティになれば嬉しいです。