親の体罰について
親の体罰についての記事が話題になりました。
そこでのやりとりがとても興味深く、色々と考えさせてもらいました。
今日は親の体罰についての僕の考えを話していこうと思います。
親の体罰について
このニュースについて詳しく書かれた記事はこちらです。
このニュースがTwitterで話題になってるのを見たとき、僕は最初「こんな当たり前のこともニュースにしないとわからない親がいるのか」と言う意味で話題になってると思っていました。
しかしTwitterでの親御さんの反応を見てみると全く逆で驚きました。
「こんなのはどこの家庭でも当たり前になっている」
「この条例はやり過ぎだ」
「これじゃあ育児ができない」
教育に携わる職業である僕としてはこの反応は意外でした。
もちろん僕と同じような事を思っている人もたくさんいましたが。自分の感覚と世間の感覚とのズレを感じました。
僕は絶対に体罰をしません。体罰方法は教育の手段ではないと思っているからです。
また、「馬鹿」などの言葉を使うこともしません。
生徒に対しては当たり前の事ですが、我が子にもしようとは絶対に思いません。
これらの行為が、いかに子供たちの人格を傷つけ、生きる力をなくしていくのか僕は知っているからです。
親御さんに強い指導を受けた子たちが、いかに自分を否定して生きているかを知っているからです。
知識不足が体罰を生む
僕は中学校でバスケットボールを指導しています。
素人顧問でスタートしましたが、今年で7年目。徐々に指導方法についての知識もついてきました。
僕はアンチ部活派ですが部活の生徒は本当頑張っていて日々感謝しています
— えむおー@ブログ更新100記事達成 (@Mo24555713) 2019年12月15日
子供達に罪はありませんからね
毎日練習を一生懸命頑張ってとうとう今日は格上だったチームに勝ってしまった
勝利至上主義にならないように
本質を見失わないようにしつつ
一緒にいて気持ちの良い生徒達に囲まれて幸せです
バスケットのルールの1つに「ファール」があります。
中学生がやってしまうファールのそのほとんどが、どのようにしてディフェンスをするのかわからないために起きてしまっています。
相手を掴んだり手を使って止めようとするとファールが起こります。
そうではなく、どのようにステップをすればディフェンスができるのか。それを教え、生徒が身に付けることによってファールの数がぐっと減ります。
親の体罰も同じではないでしょうか。
教育に対する誤解や認識の違いから体罰と言う誤った選択をしてしまうのではないでしょうか。
教育とは長い時間をかけて染み込ませていくもの
教育に対する誤解その1 は「教育とは長い時間をかけて染み込ませていくものという認識がないこと」だと思います。
例えば1歳の子供が机の上に足を乗せたとしましょう。(我が家の長男も以前載せていました
皆さんならどのように指導しますか?そしてその指導は何回ぐらい行えば良いと思いますか?
今すぐにやめさせる手っ取り早い方法が体罰だと僕は思います。
叩けばひとまずその瞬間は子供は足を下ろすでしょう。
叩かれると言う記憶は想像以上に強い衝撃として記憶されます。心に傷がつけられると言ったほうが良いかも知れませんね。
はっきりって子供は、何がよくて何が悪いかなんてわかっちゃいません。
1歳の子供に対して「どうして机の上に足を乗せてはいけないか」なんてことを説明してもわからないでしょう。
叩かれれば叩かれるのが嫌だからその行為はしなくなります。
でもそれだけです。何か1つ賢くなったわけでもありません。
すぐにその場で辞めさせると言う我々の認識を変える必要があります。
教育って、何度も同じ失敗をして、何度も同じことを言って、そうやって少しずつ泥臭く積み上げていくものです。
大変だけど、机の上に足を乗せるたびに「机は足を乗せるものでは無いよ」と優しく教えてあげるしかありません。
もちろん一回では聞きませんから、何度も何度も同じことを言います。
この方法はとても大変ですが、叩いたり強く怒鳴ったりするわけではありませんから子供の心に傷を付けなくてすみます。
叩いて分からせようとする親の多くが、
- 叩けばすぐに止める
- 子供が負った心の傷がわからない
こんな人が多いのではないでしょうか。
自分を変えることができるのは自分だけ
たとえ自分の子であっても、自分自身とは違う人間です。
すごく冷たい言い方をすると、息子であっても自分以外の人=他人なんですよね。
人は、自分ではないものをコントロールしようとするととても強いストレスを感じます。
自分の子供であっても、自分の思い通りにはいかないものです。
子供が変わるには、子供自身がそうしようと思うしかありません。
例えば我が家では、息子はパパやママの真似が大好きです。
なので「おはよう」「いただきます」などの挨拶は、僕らの真似をさせることで覚えました。
部屋の片付けを覚えさせたいときは、僕らが意識して片付けるようにしました。
ある時息子が真似をしたときに「すごい」なんて言う具合に大げさに褒めてあげました。
そんなことを繰り返すうちに、息子が自分から片付けてくれるようになってくれました。(根気強くやってくれた奥さんのおかげです
もちろんこんな風にうまくいかないこともたくさんあります。
いや、思い通りに動いてくれないことの方が圧倒的に多いですよね。
でもそれが当たり前なのです。
そんな気持ちでいると、ちょっとだけでも心に余裕が生まれるのではないでしょうか?
「自分を変えられるのは自分だけ」「たとえ息子であっても思い通りには動いてくれないのが当たり前」
こんなことを考えれば、育児に対してのストレスも減るのではないかなぁと思います。
相手も困っているんだと言う意識
最後はあまりに泣いてしまってどうしようもなくなってしまったときの対処法です。
息子は朝機嫌が悪い時があります。
服を脱ぐのが嫌なようで、僕らが着替えさせようとすると泣きわめいてしまいます。
最初は僕らも困っていましたが、最近では「この子もなんで泣いてるのか分からなくなってしまってるんじゃないだろうか」と考えるようになりました。
気持ちのコントロールもできない子供は、何が嫌なのか子供自身もわかっちゃいないんだろう。
僕はある程度息子が泣きわめいてしまったときには、抱っこして気持ちを落ち着かせようと努力します。
体感7割位は、これで気持ちが落ち着き、素直に着替えたりご飯を食べたりしてくれます。
多分ここで怒っても仕方がないんですよね。
子供は自分でも何が嫌なのかどうしたら良いのかわかっていないとすると、怒っても何の解決にもなりません。
子供自身も何が嫌なのかわからなくて困ってしまっている。
こんなスタンスで捉えてあげると、お互い楽になることがあるのかもしれません。
最後に
長々と話してしまいましたが、親御さん自身も長い目でゆっくりとどっしりと構えて子育てをすると、お互いに余裕が生まれるのかなと、思います。
間違っても罰を与えることは正しい教育とは思えません。
まぁ、半年後にはそんなこと言ってらんない!となっているかもしれませんが。笑
最後まで読んでいただきありがとうございました。