勉強しない我が子にどんな言葉をかけるかー嫌われる勇気を読んでー
本は一冊をじっくり読むよりは
— えむおーiPad買ったら連絡ください (@Mo24555713) 2019年8月19日
一冊を早く何度も読んだ方が良い
昨日実践してみました
「嫌われる勇気」
一時間でサッと読み終わりました
次は2回目
なるほどこれは良いかもしれません
先日、『嫌われる勇気』を読みました。アドラー心理学には以前から興味がありましたが、とても参考となる点が多く、もう一度読みたいと思った本でした。
今日はアドラー心理学を子育てという観点から考えていこうと思います。
勉強しない我が子にどんな言葉をかけるか
うちの子、いくら言ってもちっとも勉強しないんです
家庭訪問や三者面談をしていると、よくこの言葉を耳にします。「何度言っても勉強しない」「ゲームばかりでちっとも勉強しない」と。そんな子にどんな言葉をかけると良いのか。親になれば少なからず誰もが悩む点だと思います。
まず僕の結論から述べさせてもらいます。僕の考えは「まずどんな言葉をかけようか考えている時点で間違っている」ということです。
『嫌われる勇気』でもこんな場面にどうするか、ということが書かれていました。この本はアドラー心理学を真っ向から否定する青年とアドラー心理学派の哲学者との対話で書かれています。青年は哲学者に向けてこんな言葉を言います。
青年「我が子に不自由をしてもらいたくない。人生の先輩であり保護者でもある親には「勉強しなさい」とさとす必要があるのでは?」
すると、哲学者は青年に向かってこんなことを言います。
哲学者「確かに世の親たちは、頻繁に「あなたのためを思って」という言葉を使います。しかし、親たちは明らかに自分の目的ーそれは世間体や見栄かもしれませんし、支配欲かもしれませんーを満たすために動いています。つまり、「あなたのため」ではなく「私のため」であり・・・
勉強したいの?させたいの?
ここで抑えておきたいのは「勉強するのは誰の課題なのか」ということです。アドラー心理学ではこれを『課題の分離』と表現しています。果たしてこの場合、子供が勉強したいのか。あるいは親がさせたいのか。明確に見分ける必要があります。
「勉強するのは誰の課題か」についての答えはシンプルです。勉強をする、しないの責任は誰が取るのかということです。それはもちろん子供自身です。宿題をせずに先生に叱られたとしたら子供の責任。将来困ったとしても子供の責任。
ゲームをやめて勉強をするのか、あるいはゲームをし続けるのか。この選択は子供自身の課題であり、そこに親が土足で踏み込むのはトラブルの原因になると考えられます。
アドラー心理学でよく使われることわざに「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」というものがあります。果たして、親が無理にさせた勉強は子供にとって実りのある学習に繋がるのでしょうか?
放任と見守るの違い
じゃあ親は子供が勉強しなくても放置しろってこと?
答えから言うと、それは違います。
放任と見守るには大きな違いがあります。放任は「子供が何をしているのか知らない、知ろうともしない」ということ。見守るは「子供が何をしているのか知った上で、見守る」ということ。
親は何もしてはいけない、というわけではありません。『嫌われる勇気』では、こんな時、勉強することは子供の課題であるということを伝え(勉強するとどうなるのか、しないとどうなるのか)、困った時には手を貸すよ、ということも伝えた上で子供の判断にゆだねる。と書かれています。
僕だったら…自分が勉強する姿を見せます。数学が好きなので数学の問題を解いたり考えたりします。あるいは、新しい発見をすることの楽しさ、疑問を持つことの大切さなんかを話します。(子供が聞く耳を持っている時に、ですよ。ゲームの最中に話しかけはしません。)
または一緒にゲームをしちゃうかもしれません。以前こんなツイートをしたことがあります。
不登校の生徒と一緒にマイクラをやったことがあります
— えむおーiPad買ったら連絡ください (@Mo24555713) 2019年8月16日
家庭訪問中に親御さんの目の前で笑
結果、学校に来ました
子どもにとっては自分の夢中になっている世界に大人が入ってくるのが嬉しかったりするんですよね
相手が何に興味があるのかを知ることはアドラー心理学でも推奨されているようです。まずは相手がどんなことに興味があるのか、どんな世界で生きているのかを知る。そうすることで、相手の課題にむやみに踏み込まずに済みます。
少し話は変わりますが、本校では毎日帰りの時間に読書の時間があります。手前味噌ですが、僕のクラスは毎年比較的みんな静かに本を読んでいると思います。
僕は一度も「静かに本を読みなさい」と言ったことはありません。まず僕が本を読みます。そして、面白かった本の紹介をします。教師にその本を置いておきます。そうすることで不思議と4月にはうるさかったクラスでも、半年も経たずに静かに本を読むようになっていることが多いです。
ただし、あくまでもこれらをやるのは僕の課題であって、結果的に読書をするのか(ここでは勉強をするのか)は子供の課題ということを忘れてはいけません。
これを忘れてしまうと「私はここまでやったのになんでうちの子は勉強しないんだ!」とまた批判が始まってしまいます。あくまでも子供が判断し、選択していきます。
まとめ
いかがでしたか?本当は「人はどんな時に幸福を感じるのか」や「子供は褒めても叱ってもいけない」などの話もしようと思ったのですが、それは次の機会にしますね。今日は我が子が勉強しないとき、親としてどうあるべきか、について絞って書きました。
アドラー心理学、知れば知るほど世界がシンプルに見えてくる不思議な考え方です。子育て中の方や、教師として教壇に立たれている方にはぜひ一度触れていただきたいです。
少しでも皆さんの参考になれば幸いです!
本の紹介もしておきますが、おそらく学校や近くの図書館に置かれていると思うのでそちらで探してもらった方が良いかも知れません。
こちらはよりアドラー心理学を実践的に使うならば…という視点で書かれています。社会人の方にはこちらの方がオススメです。
もし教師がアドラー心理学を学んだら?物事をもっとシンプルに考えよう!