史上最高のキーボードHappy Hacking KeyBoard 長文レビュー
史上最高のキーボードと呼ばれるHappy Hacking KeyBoard(通称 HHKB)を買ってみました。
ひとまず1週間ほど使ってみました。
今日はその所感をまとめてみようと思います。
書いていたら5000字を超える長文レビューとなったのはHHKBの魅力ゆえだと思いお付き合いいただければと思います。
- 結論
- 打鍵音が最高
- ホームポジションから全てのキーに指が届く
- ライブ変換が捗る
- 指が話す感覚を味わえる
- US配列が美しい
- 全てのキーが十字にクロスしていない
- 矢印キーは必要なかった
- 刻印が消えない仕様
- キーリマップでのカスタマイズが最高
- Bluetoothの切り替えがとてもスムーズ
- iPad+HHKBでの作業が捗る
- さいごに
結論
まずは簡単に結論から。
HHKBは打ち心地、扱いやすさ、所有感など間違いなく史上最高のキーボード!!
今から私が感じたHHKBの良いところを一つ一つ紹介していこうと思います。
打鍵音が最高
届いて使ってみて最初に感じたのは、打鍵音が最高だということです。
文字を打つたびにスコスコスコスコという音に癒されます。
私が買ったのはtype-sという静音性のものなので、静かな場所で打っていてもほとんど気にならない程度の打鍵音です。
また、HHKBは静電容量無接点方式という形式なので奥まで押し込まずともカタカタと文字を打つことができます。
これまで使っていたMacBookのキーボードはペチペチと打っている印象でした。
このペチペチもさほど嫌いではなかったのですが、一度HHKBを使ったら元に戻れなくなりました。
それくらい、私にとってこのこのスコスコスコスコ…カタカタカタカタ…という打鍵音は心地よいです。指が喜んでいます。
あぁ、今もこうしてHHKBを使って文章を打つことでどんどんとこの記事の文字数が多くなってしまう。
ホームポジションから全てのキーに指が届く
HHKBは比較的コンパクトなキーボードです。
サイトを見ると,横294mm、幅120mm、高さ40mmとあります。
厚みはありますが,縦横の大きさは色んなキーボードと比べても比較的コンパクトな部類に入ると思います。
私にとっては、このHHKBのサイズはホームポジション(左人差し指がF、右人差し指がJ)から手を動かさずに全てのキーに指が届くちょうど良い大きさです。
ホームポジションから腕を動かさずにほとんどのキーをタッチできるのがとっても楽です。
私は基本的にマウスは使わずにiPadやMacBookを使いますが、キーボードの右側にマウスを置いて使う人にとってもこのコンパクトさは重宝すると思います。
※iPadは画面タッチで、MacBookはMagic Trackpadで操作しています
ライブ変換が捗る
iPadやMacBookの好きなところは、ライブ変換が使えるところです。
このライブ変換は、文字入力の革命ともいえるものだと思います。
こんな具合に打っている最中で自動的に変換してくれます。
スコスコと文字を入力していくと入力した瞬間から自動的に漢字やカタカナに変換してくれる。
これが本当に気持ちが良いんですよね。
これまでは文字入力をする際には
- 文字を入力する
- スペースキーを押す
- エンターを押して確定する
という3つのステップを踏んでいましたが、ライブ変換を使えば1から一気に3へとジャンプすることができます。
いや3すら勝手に行ってくれるので必要ありません。
以前は「なんでこの変換にしたんだ?」ということもありましたが、年々精度も上がってきています。
息があってきているような感覚すら味合わせてくれるこのライブ変換が好きなのです。
ただ、このライブ変換はgoogle文字入力などの変換ツールと比べてまだまだ漢字や流行り言葉への変換は苦手です。
多くの方は、純正文字入力ではなく、ライブ変換を使えなくてもgoogle文字入力を使った方が幸せになれると思います。
ライブ変換はだいぶ賢くなったと言いつつ、まだまだ発展途上です。
(そもそも日本語は平仮名や漢字、カタカナが混合している上にどの漢字を当てはめるかも難しい言語なのです。英語圏の人たちが羨ましい限りです。)
ライブ変換は、ミス変換があったときに「おいおい。お前もまだまだ青いな」と楽しめるような私程度の変態の人だけにオススメする機能です。
指が話す感覚を味わえる
先ほどのライブ変換の効果も相まって、HHKBを使って驚くべき体験をしました。
普通、文字を入力するときには以下のようなステップを踏むと思います。
- 頭に文章を思い浮かべる
- キーボードを叩く
- 文章が入力される
私が驚いたのは、
- 頭に文章を思い浮かべる
- 文字が入力されている
ということが実際に起こりました。
いやぁ驚きました。頭に文章を思い浮かべて、さぁ文字を入力しようと思ったときにはすでに画面に写っていたのですから。
これがHHKBユーザーのいう「指が話す」現象なのでしょうね。
私はまだキータイピングはそこまで得意というわけではありません。
まだミスタイプはありますから、文字を打ちながらデリートキーを多用するようなレベルです。
そんな私でも指が勝手に話す現象を体験することができるHHKB。恐ろしい製品です。
US配列が美しい
私のHHKBはUS配列にしました。
HHKBはとにかく、このUS配列がとんでもなく美しいです。
(ご存知の方もいるかもしれませんが)キーボードは大きく分けて2つ「JIS配列」と「US配列」があります。
ものすごく大雑把にかつ簡単に違いを説明するならば、JIS配列はエンターキーが大きく、US配列は小さいです。
JIS配列は日本語入力に適したキーボードとなっており、かな入力(ローマ字入力ではないもの)が得意なキーボードです。
対してUS配列ではかな入力はできません。日本ではない国ではUS配列が使われることが多いです。
もう少し詳しく知りたい方はUS配列とJIS配列との違い、おすすめは?メリットデメリットの記事が非常にわかりやすく説明されているのでオススメです。
私はこれまで、JIS配列もUS配列も両方とも扱ったことがあります。
どちらにも良し悪しがあると思いますが、私はHHKBを買うのであれば(特にこだわりがなければ)US配列を選択することをお勧めします。
HHKB、とにかくUS配列が美しいです。(本日2回目)
エンターキーが大きくないため全体的にすっきりとしたデザイン。
矢印キーもないため、ほぼ左右対称なキーレイアウト。
一つ一つのキー配置にこだわりが感じられるデザインとなっており、見れば見るほどうっとりしてしまいます。
エンターキーは小指でそっと押すのです。
エンターキーの上にデリートキーがあることも動きに無駄がなくて素敵です。
あぁ、キーボードを叩くたびにキー配置のこだわりを感じ取れて本当に楽しいキーボードです。
私は、作り手のこだわりを感じられる製品が好きなのです。
全てのキーが十字にクロスしていない
もう少しキー配置について語ります。そろそろ止まらなくなってしまいました。
HHKBを製造しているPFUという会社はどうやら日本の企業らしいです。
日本の企業らしく、和の美しさを随所に感じることができます。
全てのキーが十字にクロスしていないのもHHKBの美しさの秘訣です。
日本には様々な美(こだわり)が存在しています。
例えば、新聞には「胴切りはしてはいけない」という決まりがあります。
胴切り、つまり上下にスパンと切れるようなレイアウトで文字配置をしてはいけないという決まりです。
よって新聞はあのような改行レイアウトが用いられています。
また、畳には「合わせ目を十字にしてはいけない」という決まりがあります。
祝儀敷と言って、一般的な部屋は基本的に合わせ目が十字にならないように畳が配置されています。
畳の合わせ目が十字になる敷き方は不祝儀敷といい、通夜などで使われる部屋によく見る形だそうです。
何を隠そうHHKBのキー配列は畳と同じ「合わせ目を十字にしない」レイアウトなのです。
さすが日本の企業です。
キーボードから和の美しさを感じることになるとは。
誰が得するんだ、というこだわりですが、こういったこだわりがApple創始者スティーブ・ジョブズ氏を彷彿させてくれます。
HHKBを見るたびにこの美しいレイアウトにため息が出てしまいます。
矢印キーは必要なかった
HHKBで話題に上がることの多い「矢印キー必要ない」というテーマ。
使ってみて思うのは、やはり私にとっても矢印キーは必要ないのだなということ。
HHKBでカーソルを移動したいときは、まず一番右下のFnキーに小指を合わせます。
すると、ちょうどLのキーの横に人差し指がきます。
Fnキーを押しながら人差し指でそのキーを押すとそれが左キーの役割を果たします。
その右が右キー、中が上キー、という具合にFnキーを押すことでストレスなく十字キーを扱うことができます。
そして驚くのがこの矢印キー、キーボード手前から見ると各キーにきちんと書かれているのです。
このおもてなしこそが日本の企業ならではのこだわりでしょう。
刻印が消えない仕様
私が購入したものは刻印ありのモデルです。
HHKBには無刻印モデルという変態モデルが存在しています。(褒めています)
HHKBのコンパクトかつ美しいデザインであれば無刻印の方が映える気もしましたが、私はまだ使いこなせる気がしなかったので刻印ありを選びました。
そしてHHKBの刻印、ここにもこだわりがあります。
HHKBの刻印には、なんと何年使っていても消えないようにしているこだわりがあります。
キートップの刻印に、鮮明で耐久性の高いサブリメーション(昇華)印刷方式を採用。
樹脂にインクを浸透させる方式のため、長期間の使用でも刻印が剥げることがありません。(公式HPより)
さすが10年使い続けることができるキーボード。
普通は10年も使ったらキーボードの刻印は剥がれてしまいますからね。
キーの耐久性に見合うデザインも考えられている製品HHKB、恐ろしい子です。
キーリマップでのカスタマイズが最高
HHKBは公式HPHappy Hacking Keyboard | ダウンロード | PFUにてキーリマップツールをインストールすることができます。
私は、キーリマップを使ってスペースキーの右側の⌘を日本語切替に、左側の⌘を英語切替にしました。
MacBookのキーボードがJIS配列となっており、この使い方がとても楽だったので変更しました。
PFU、さすが日本の企業です。
こういうかゆいところにちゃんと手が届くようなおもてなしが用意されています。
どうやキーの変更はキーボード自体に記憶されているようです。
一度MacやWindowsマシンを使ってキーリマップをしてしまえば、どのデバイスと繋いでも変更したキー設定を使うことができます。
これも細かいけれど地味に便利なところですね。
Bluetoothの切り替えがとてもスムーズ
今回買ったHHKB HYBRIDはBluetoothを使って複数のデバイスを行き来することができます。
これまた驚くほどスムーズに切り替えることができます。
私は、iPadやMac、iPhoneなど複数のデバイスを同時に扱うことが多いです。
例えばiPadとMacを同時に使って作業をしている時。
Fn+Control+数字を押すことでデバイスを切り替えることができます。
ちなみに同時押しではなく、Fnから順番に押すイメージだとスムーズに切り替えができると思います。
数字キーを押してから1秒少々で切り替わります。
純正のキーボードかと思ってしまうほどスムーズです。
Apple製品の素晴らしさの一つにデバイス間の連携力というものがありますが、HHKBはApple製品に加えても良いと思えるほど連携力があります。
iPad+HHKBでの作業が捗る
MacBook大好きな私ですが、HHKBを購入したことで最近はiPadでの作業率がグンと上がりました。
これまでは、文字入力はMacBookメインで行ってきました。
さすがにiPadとMacBookで比較すると、アウトプット力はMacBookに軍配が上がるものと感じていたからです。
しかし、今はiPadでの作業がほとんどです。
キーボードの力があるとiPadでもMacと同じような作業ができるのですね。
普通の書類作成であればiPad+HHKBで十分ストレスなく作業することができます。
さすがにHHKBを体験してしまった今、文字入力はMacbookのキーボードでは満足できない体になってしまいました。
動画作成などはまだMacBookの方がスムーズだと思いますが、これからもっとiPadを使う頻度が上がりそうです。
さいごに
買って幸せを感じられるデバイス、HHKB!
声高々に叫ぶことができるほど満足できる製品でした。
いや本当、買ってよかった。
それもこれも皆HHKBの魅力を度々紹介してくれた魚住惇先生のおかげです。
いや感謝感謝です。
何度も惇先生のブログを読み、Podcastを聞いて、ご本人からアドバイスをもらいながら購入を決意しました。
こだわりを感じられる製品、HHKB。
本当にオススメです。