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教師であり父でありApple好きな人が書くブログ

生徒のやる気を引き出す言葉「なぜあの先生の言葉はやる気なるのか?」

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この逆をする先生もいますよね。聞いていると不思議とやる気になる先生。生徒のやる気を引き出す先生。

 

今日はある先輩先生の言葉を参考に、何が良いのか、自分だったらどうするか、と考えたことについて書いていこうと思います。

 

ある先生の言葉

私には尊敬する先輩先生がいます。少し年上の体育の先生です。

その先生の凄いところは、指導しながらとにかく生徒のやる気を引き出すところです。

 

その先生の言葉を聞いていると、生徒だけでなく、私たち教師も「頑張るぞ」という気持ちになるんですよね。

 

先日の運動会練習の時のことです。先生はいつも通り、全体に指導しています。本番と同じように全体での動きの確認。最初のラジオ体操を全体でした後、集合して次のような言葉で生徒に話しました。

 

「ラジオ体操、全体ですっごく揃っていてかっこよかった!こんなに多くの人数がぴったり揃うのは凄いな〜って見ていて思いました。

 

もっと良くするアドバイスとして2つ。1つは体操の隊形に開くときに、みんなで大きな声を出すこと。もう1つは、指先までピシッと伸ばすことを意識しながら体操をすること。

 

こんなに一生懸命やるみんなならきっと県で一番の動きができると信じています。楽しみにしています。」

 

ゆっくり、生徒の方を見ながら笑顔で話す先輩先生。そしてそれを顔をしっかりあげて聞く生徒たち。

 

聞きながら私たち教師も自然と「すごく上手だった。2回目はどう変わるのだろう」とワクワクしました。

 

2回目のラジオ体操は声も出て、指先も先ほどよりピシッと伸びています。決して怒鳴らず、怒らず、でも生徒の動きをたった一言で変えた先輩先生、さすがです。

 

なぜあの先生の言葉は前向きになれるのか

認める、アドバイス、期待の言葉

さて、この言葉の何がよかったのかを考えてみます。まず全体の流れはこんな具合でした。

  1. 全体の動きを認める(褒める)
  2. アドバイス
  3. 期待の言葉

いわゆるサンドイッチで指導していています。1と3で生徒を褒めるような前向きな言葉がけをしつつ、2でアドバイスをする。

 

指導としては2で伝えていますが、その前後に温かい言葉をかけているので生徒も良い気持ちで耳を傾けることができます。

 

アドバイスがシンプルでわかりやすい

「アドバイスは2つ。1つは〜。もう1つは〜。」と、次に何をやれば良いのかがとても明確です。生徒も聞いていて、次にやれば良いことがわかるので安心して頑張ることができます。

 

これが「全体でもっと声を出そう」とか、「もっとしっかりしよう」という指示だとダメなんですよね。先輩先生は「体操の隊形に開くとき」「指先を伸ばす」と具体的な場面まで指定しています。

 

これならわかりやすい。ちなみに、後で聞いたところ先輩先生は「アドバイスしたところができていれば他は1回目よりも悪くなってても何も言わない。そんなにたくさんのことを意識するなんて大変だからね。」と教えてくれました。

 

自分が使うなら?

私は中学校2年生の担任です。クラスの子達は明るく、元気な子が多いです。優しい人も多いので一緒にいて楽しいのですが、授業中、思いついたこと(授業に関係ないこと)をしゃべってしまうのが気になっていました。

 

授業中に関係ない言葉を減らしたい。先輩先生のように「認める、アドバイス、期待の言葉」「アドバイスはシンプルに」で言葉を考えてみました。

 

「このクラスは本当に明るくて楽しいよね。僕もみんなの元気なところ、一緒にいて楽しいところがいいな〜と思っています。(認める)

 

もっと良くするために、授業中の発言はこんな風にしたらどうかな?授業に関係ないと思ったことは言わないようにする。言葉ってすごいからたった一言で集中が切れちゃうこともあるんだよね。(アドバイス)

 

このクラスならみんなで楽しくでも集中するような授業ができると思うよ。そのために協力してくれるといいな。次の授業、楽しみにしているね。」 (期待の言葉)

 

先週、実際にこんな言葉で生徒に話をしました。

 

そしてその日の授業は、関係ないおしゃべりはぐんと減り、つい言っちゃった生徒も「あ!関係ないことしゃべっちゃった!」なんて反省。それを見た私も周りの生徒も笑って。とても良い雰囲気だったように感じます。

 

 

さいごに

こんな具合でこれからも子ども達を前向きにしつつ、頑張りたいと思えるような言葉がけを続けていきたいですね。

 

「コップが下を向いていると、いくら水を出してもコップに水はたまらないよ。俺ら先生はまずコップを上に向かせることから始めないと。」

 

先輩先生の言葉です。先生のような温かい指導者になれるよう、頑張ります。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。