植松努さんに学ぶ「これからの学校のあり方」子どもに自信をつけさせよう
植松努さんって知ってますか?まずは何も言わずに下の動画を見てほしいです。
これは植松努さんがTEDという世界的な講演会の場でお話しした時の様子を撮影したものです。僕はこの動画を見てすぐに植松さんのファンになりました。多くの先生、子どもを持つ親御さんに見てもらいたくて紹介します。
今日は植松さんの動画を見て僕が勉強になったことを書いていこうと思います。
教育とは子どもに安全に失敗を経験させること
皆さんは学校とは何をする場所だと思いますか?
植松さんは学校とは安全に失敗をして学ぶ場と教えてくれました。とても勇気をもらえる言葉だと思います。安全に失敗。
僕ら教師は気をつけないと生徒の失敗を責めてしまいがちです。
「なんで宿題を忘れたんだ」「次からどうするんだ」「どうして話を聞けないんだ」・・・。
これってとっても怖いことですよね。
なぜなら子ども達は学校で失敗することを恐れると失敗を隠そうとします。失敗しないように最初から何もしなくなります。これが恐ろしい。
そんな風に育った子どもは大人になってとんでもない失敗をしてしまいます。中には隠す大人まで出てきます。
そうならないように、僕ら教師が生徒に「失敗していいんだよ。失敗したら次どうすれば良いかを一緒に考えよう」という態度で接することはとても大切だと思います。
僕だって余裕がなくなると子どもを責めてしまいそうになることもあります。そんな時は植松さんの言葉を思い出すようにしています。
学校でたくさん失敗させよう!
人の可能性を奪う恐ろしい言葉「どーせ無理」
小学1年生の子どもを想像してください。彼らはこれからたくさんのことを学び、成長する自分を想像し、誰しもが目をキラキラ輝かせて入学してくるのではないでしょうか。
僕は中学校の教師ですが、中学1年生も同じです。
小学校の頃にできなかった自分を卒業し、また新たに頑張ろうという想いをした、目を輝かせて入学してくる生徒がたくさんいます。
ところが、小学校高学年や中学2年生頃になると目の輝きがなくなってきます。
走ってもあの子に勝てない。勉強もわからなくなってきた。先生にも怒られる。僕はできないことが多い、ダメな子なんだ…。
さて、入学時の子ども達のワクワクを潰してしまったのは誰でしょうか?それは大人です。我々大人が無意識に子ども達の可能性を否定させているのです。
「どーせ無理」
恐ろしい言葉です。僕らは無意識に、生徒に、そして自分自身にこの言葉を使ってはいないでしょうか。
なぜか。それは楽だからです。「どーせ無理」と言えばこれ以上考えずに、努力せずに済んでしまうからです。僕はこの言葉の恐ろしさを知ってから、子ども達への接し方が変わりました。
「どーせ無理」という言葉で可能性を潰さない!
子どもの夢に対する先生の役割とは?
でも全然センスのない生徒が「将来プロ選手になりたい」と言ったらどうしますか?
「無謀な夢をいつまでも追いかけさせることが教育なんでしょうか?」
と言う人に会ったことがあります。「そんな夢を追わせる、それは子どもにとって良いことなんでしょうか?」と。
でも僕はわざわざ先生が夢を諦めさせることなんてしなくて良いと思います。だってこの子達、僕らが言わなくても心のどこかで「俺には無理」って思ってます。今は思わなくてもいつか感じるかもしれません。
僕らはどうですか?頑張って先生になってみたらできないことが多くて、「自分には先生って無理かも」と感じたことはありませんか?
わざわざ他人が諦めろなんて言わなくていいですよね。僕だったら大きなお世話って思っちゃいます。
先生の役目は子どもに夢を諦めさせることではなく、夢を広げてあげることじゃないでしょうか?
子どもがいつか自分の夢に関する壁に阻まれた時。諦めるという選択肢ではなく、別の選択肢を探し出せるようにさせてあげることじゃないでしょうか?
先生は子どもの夢を広げる存在になろう!
夢の広げ方
夢ってどうすれば広げられるんですか?その答えはとっても簡単です。僕は次の二つだと思います。
- 「なんで○○になりたいの?」と聞いてみる
- いろんなことを経験させる
教師としてできることはこの二つではないでしょうか。
「なんで○○になりたいの?」と聞いてみる
「なんでサッカー選手になりたいの?」と聞いて、「サッカーが好きだから」と答えたらその子にサッカーに関する仕事を教えてあげられます。サッカーの道具を作る人、売る人、サポーターやファンクラブの運営。働きながら少年サッカーのコーチをすることだってできる。世の中にはプロでなくてもサッカーに携わるような仕事はたくさんある、と教えてあげるのです。
「なんで医者になりたいの?」と聞いて「人を助けたいから」なんて返ってきたらそれこそ夢は一気に広がります。
「なんで?」の部分に着目させ、それができるのはこんな職業があるよ、と時間をかけて気づかせてあげる。
これこそ我々教師の役目なんじゃないでしょうか。
なんでの部分に着目させ、夢の選択肢を広げよう!
いろんなことを経験させる
たくさんの経験を積ませてほしいのは、比較させることで自分は何が好きか、何が得意かを子どもに発見させるためです。
「人前で話すことがそんなに嫌じゃないぞ、伝わると嬉しいな。 」
「人と話すことは苦手だけれど、ものを作るときは熱中できるな。」そんなことを感じさせるのです。
そのためにはたくさんの経験をさせてあげることが大切です。そして、必ず失敗しても良いという姿勢で接すること。子ども達にいろんな経験をさせるためにも、先生自身も人生経験を豊富にしたいですよね。
いろんなことを経験さえて向き不向きを発見させよう!
自信を取り戻す方法
最後に。諦め方を知ってしまった子ども達に自信を取り戻す方法です。これも植松さんはとてもシンプルな言葉で紹介してくれました。それは、「やったことがないことをやってみる」です。
僕は子ども達に普段から「なるべくやったことがないことをやってごらん。」と言っています。そして、「初めてやるんだから失敗して当然だよ。失敗しても自分を責めないでね。」とも伝えます。
中学生くらいになるとたくさん失敗して、中には嫌な体験をしたような子もいます。
なので時間をかけて、担任として1年間接することができるのであれば係や当番などの小さなことから未体験を体験させ、徐々に自信を取り戻してもらいます。
「めんどくせー」とか「だりー」っていう子は特にこの体験がないんですよね。
そりゃ、やりたくないこと、失敗しそうなことはしたくありませんからね。でも語り続けます。
僕と一緒にいる1年間では変わらなくても数年後、いつか変わるかもしれませんからね。
「やったことがないことをやってみる」で自身は取り戻せる!
終わりに
最後は植松さんのお話と脱線してしまいました。(授業と同じですね。すみません。)
けれど植松さんの言葉は一つ一つがシンプルでわかりやすく、そして心に響きます。
僕はファンになってしまいこのスピーチ(実際は2時間)を聞きに行ったり、本を買って読んだりしました。Facebookも追いかけてます笑。
植松さんの考えは教師にとって大事なことがたくさんあると思います。ぜひ上の動画などを見て、子ども達の可能性に目を向けられる人になって欲しいな〜と感じています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。